子供に海水浴場やプールで楽しんでほしいけど、安全に遊ばせたいですよね。
浮き具(浮き輪、シュノーケリングベストなど)は子供を安全に遊ぶことができる道具です。複数種類があり、わかりにくいため、下記のような疑問が生じます。
- ドーナツ型浮き輪以外にどんなものがあるの?
- シュノーケリングベストとはどういうもの?メリット・デメリットは?
- 海で使用する場合のおすすめは?
- 複数種類があるけど、結局どれを選べばいいの?
そこで、疑問を解消できるように、浮き具(浮き輪、シュノーケリングベストなど)を種類ごとに比較しました。
子供(特に赤ちゃん、幼児、小学生)が浮いたり泳いだりする際の安全性と遊びやすさを重点において、amazonなどのレビューや情報を集め、消費者庁などから製品の安全性を確認し、浮き具の種類ごとのメリットとデメリットをまとめています。
本記事では 浮き具の種類ごとの説明と比較、浮力を得る方法の比較 、おすすめの浮き具について記載しています。
浮き具の種類ごとの説明と比較【メリット・デメリット】
ドーナツ型、O型
一般的なOの形をした浮き輪です。穴の中に胴体を入れます。水中で何もしなければ、立つ姿勢になります。
メリット
・安定感に優れている。
・顔が水面から出ている。
・水泳に慣れていれば動きやすい。
デメリット
・手を放すと抜け落ちる可能性がある。
ドーナッツ型は定番になっているだけあり、遊びやすく安全性も高いです。
抜け落ちにくくするために、浮かんでいるときに身体が抜けないように、子供の体形に合った浮き輪のサイズを購入する必要があります。
抜け落ちてもおぼれないように、アームリングやシュノーケリングベストとの併用がおすすめです。
シュノーケリングボード、キックボード、U型、シュノーケリングフロート
ビート板を浮き輪にしたようなものです。U型になっており、手でフックなどを持ち、上半身を浮かすことができます。うつ伏せ状態で使用します。
ドーナツ型と比べ、泳ぎやすいです。水の中をのぞくことができる窓がついたものあります。
メリット
・泳ぎやすい、泳ぐ練習ができ、泳ぐ楽しみが味わえる。
・水中をのぞきやすい。
デメリット
・子供が水に慣れていないと使用できない。
・常に手でフックをつかむ必要があり、疲れる。
・子供が浮き輪から完全に手を放すと危険。
泳ぐことによる楽しみを味わえるようになっています。手を放すと体から離れてしまうため、安全性はドーナッツ型と比べると劣ります。
手を放しておぼれるのを防止するため、アームリングやシュノーケリングベストとの併用がおすすめです。
アームリング、アームバンド
アームリング を両腕に通して使用します。空気を入れるタイプと、発泡スチロールのように浮く素材で出来たタイプがあります。両腕と胴体部が一体になったものもあります。
メリット
・子供が浮き具をつかんでいる必要がない
・片方が空気漏れしても急には沈まない。
・手が自由に動かせる。
・小さいため、かさばらない。
・腕を通すだけで着脱が簡単にできる。
デメリット
・空気が漏れやすい。
・腕の太さによっては使用できない。
・エッジの部分に肌が当たり、体形により痛い物がある。
・ひも付きのものが売っていおらず、親がつかむところがない。
アームリングは子供が意識せず、浮き具を使用できるため、遊びやすく安全性も高いです。
小さなパーツを組み合わせており、よく動かす腕につけるため、アームリングの一ヶ所に負荷がかかりやすく、負荷がかかった所から空気が漏れやすいです。
サイズが大きすぎると腕から抜け、小さすぎると入らないため、子どものサイズに合わせたものが必要です。空気入れるタイプであれば、ある程度調整できます。
シュノーケリングベスト
シュノーケリングベストはライフジャケットを軽量化したような構造をしています。ライフジャケットとの違いとして、水中で動きやすいようになっています。具体的には肩部に浮くためのパーツがなく腕が動かしやすかったり、浮力が小さい分泳ぎやすかったりします。
ライフジャケットは海に落ちた際に命を守ることを目的としていますが、シュノーケリングベストは海やプールなどの水の中で安全に遊ぶことを目的として作られています。
メリット
・ライフジャケットのように体全体で浮くため、安定感がある。
・水中で遊びやすい。
・脱げにくいため、外れることでおぼれる危険性が低い。
・手が自由に動かせる。
・泳ぐ以外に、釣りや磯遊びなどにも使える。
デメリット
・ライフジャケットのように完全に顔が水上にくるようになっていない。
・股ベルトがあるもので擦れて痛い場合がある。
ライフジャケットを水中で遊びやすくしているものであり、遊びやすく安全性も高いです。
股ベルトがあるとより脱げにくく、安全です。しかし、股ベルトの素材によっては活発に動くと擦れて痛いこともあるようです。
遊ぶために水面に顔を付けることができるようになっています。安全面ではデメリットですが、楽しむ際にはメリットになります。
フロート型 (動物タイプ・マットタイプ・いかだ型・ビーチマット)
フロート型は他の浮き輪と比べ、かなり大きいです。動物タイプとマットタイプ(いかだ型、ビーチマット)があります。いずれも浮遊感を楽しむことができます。
動物タイプは動物を模しており、上にまたがったり、座ったり、抱き着いたりできます。
マットタイプは板状になっており、寝ころぶこともできます。
メリット
・浮遊感を楽しむことができる。
・リラックスできるものもある。
・大きいため、目立つ。
・大きいものが好きな子どもが多い。
デメリット
・海での使用は風に流されやすく危険。風が強いと追いつけない。
・安定性がなく、転落しやすい。
・転落した際に浮き具の下敷きになり、パニックになりやすい。
・電動エアがないと空気入れが大変。
・子どもが自力で移動するのは困難で、親が押す必要がある。
・大きく、たたんだり、乾燥させるといった後片付けが大変。
・施設によっては持ち込みが規制されている。
フロート型は浮遊感が楽しいものの、安全性は低いです。特に海での使用はお勧めしません。海で沖に流される事例は複数あります。自力で戻ることは困難であり、生死にかかわるため、大変危険です。
参照URL
消費者庁のフロート使用中の事故防止の注意喚起の内容です。風が強い場合に追いつけない状況がわかる動画もあります。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_022/
足入れ型、ベビーボート、ベビーフロート
ドーナツ型にシートがついており、足を通し、座った状態で浮くことができます。ドーナツ型 のデメリットである、抜け落ちがないようになっています。
メリット
・ドーナッツ型と同じメリットを持っている。
・ 抜け落ちしない。
デメリット
・ひっくり返ると、危険。脚が固定されているおり、脱出できず、自力で戻せない。
・子供の太ももの付け根のところが擦れることがある。
・施設によっては持ち込みが規制されている。
ドーナッツ型のデメリットである、抜け落ちしないですが、ひっくり返った際の危険が増しており、安全性は低いです。ひっくり返ることによる事故が発生しています。
使用する場合は抜け落ちないからといって安心せず、子供を手の届く範囲で遊ばせ、目を離さないようにしましょう。
参照URL
足入れ付き浮き輪の危険性を説明したyahooの記事になります。
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamanakatatsuhiro/20190818-00138715
首リング、スイマーバ
ドーナツ型は胴体で使用するのに対し、首リングは首部で使用します。主に赤ちゃん用です。
メリット
・赤ちゃんのときから使える。
デメリット
・空気漏れ発生や少しの沈みで、おぼれやすい。
・海では波があり、海水が顔にかかりやすい。
おぼれやすいですので、安全性は低いです。
浴槽での使用中に、目を離すことによって、死亡事故を含む、多数の事故が発生しています。
参照URL
首掛け式乳幼児用浮き輪使用時の注意喚起の内容になります。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20200402/
赤ちゃんは音もなくおぼれます。使用する場合は絶対に目を離さないようにしましょう。
ライフジャケット、フローティングベスト
ライフジャケットやフローティングベストはシュノーケリングベストと違い、陸上で活動し、海や川に落ちた時に浮くための物です。 フローティングベストは釣りに使われることが多く、ポケットがたくさんついているものがあります。
メリット
・シュノーケリングベストより浮力が高く、安全性が高い。
・船用には桜マークのついたライフジャケットのみ使用できる。
デメリット
・海やプールで泳ぐ為以外の機能が多く、水中で遊びにくい。
安全性はトップです。ただし、水中では遊びにくいです。遊ぶには浮力が大きく、顔を水中につけにくかったり、腕が回しにくかったり、ポケットが多かったりします。
海やプールで泳ぐことが目的であれば、お勧めしません。
浮力を得る方法の比較【メリット・デメリット】
空気を入れて浮力を得るタイプと浮かぶ素材で浮力を得るタイプがあります。メリットとデメリットはそれぞれトレードオフの関係です。
空気を入れて浮力を得るタイプ
浮き輪のように空気を入れて、浮力を得るものです。
メリット
空気を抜けるので、かさばらない。
デメリット
空気漏れにより、浮力がなくなる。
浮かぶ素材で浮力を得るタイプ
発泡スチロールのような水に浮かぶ素材を使用しているものです。
メリット
空気漏れの心配がないため、浮力が維持される。
デメリット
使用時と大きさが変わらないため、かさばる。
おすすめの浮き具
海での使用
・ドーナツ型×シュノーケリングベスト
・ドーナツ型×アームリング
水に慣れて、泳げるようになってきたら、ドーナツ型からシュノーケリングボードに変更してもいいと思います。
海では海流や風、海水生物などにより、様々な不測の事態が起こる危険があります。そのため、特に安全性を重視する必要があります。複数の浮き具を使用することで、片方が流されたり、破損しても問題ないようにできます。また、片方を空気漏れの心配のない、浮かぶ素材の物にするとさらに安全です。
黄、オレンジや赤色は海で目立ち、流された場合発見しやすいです。また、ひも付きの浮き具は親が持つことができ、オススメです。
プールでの使用
施設での使用が禁止されておらず、子どもが楽しいと感じるものがおすすめです。
プールでは管理されており、必ず監視員もいるため、不測の事態が起こりにくいです。そのため、親が安全性を確保できる範囲で、子供が楽しいと感じるものを選ぶといいと思います。
ただし、混雑している場合に子供に近づきにくかったり、監視員が気づきにくかったりする場合がありますので、子どもから目を離さず、手の届く範囲で子どもを遊ばせ、すぐに助けれるようにすることが大事です。
どれを選べばいいか迷うのであれば、浮き輪かシュノーケリングベストをお勧めします。
浮き輪は使用が許可されているプールが多いです。
シュノーケリングベストはプール以外に海水浴、沢遊び、釣りなどの様々な水関係のアウトドア時にも使用でき、安全性が高く、子供が動きやすいためです。
まとめ
海やプールでの水遊びは楽しいものの、危険が多く、毎年事故が発生しています。浮き具を活用して、子どもと安全に楽しく遊びたいものですね。
注意喚起になりますが、おぼれる際には音もなくおぼれます。水中の音は水上にいると聞こえないです。子供から絶対に目を離さず、まだ子供が小さければ必ず手の届く範囲で遊ばせましょう。
海やプールで遊ぶ際の安全に関する知識や技能に関しては日本ライフセービング協会が制作しているe-Lifesavingというサイトが分かりやすかったです。このサイトは子どもへの教材用として絵や写真、動画とともにわかりやすい解説で作られており、子供に教えやすく、大人も理解しやすいです。
https://elearning.jla-lifesaving.or.jp/
また、海で安全に遊ぶために、海上保安庁の遊泳の安全情報も確認することをおすすめします。
https://www6.kaiho.mlit.go.jp/watersafety/swimming/index.html
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